Patricia Barber / Nightclub (UDSACD 2004/MFSL/SACDハイブリッド)

お世話になっております。セタガヤCD買取センターです。

さて、いま日本に於けるパトリシア・バーバーのリスナー層といえば、ほぼオーディオマニアそしてフィーメル・ボーカルのヘビーな愛好家（もしくはその両方を兼ねている方々）に限られるのではないでしょうか。

パトリシア・バーバーの作品は初期から全て名匠ジム・アンダーソンが録音を手掛けており、そのサウンドは常に世界のオーディオファンの間で評価されてきました。主要な作品は高音質専門レーベルMobile Fidelity Sound Labからよりハイクオリティな再発がされており、それらはマニアが機器の性能を測るオーディオ・チェック盤としても使用されるほどです。

しかし本来パトリシア・バーバーという人はオーディオ界隈で好まれる、落ち着いた声でスタンダードやポップスを完璧に歌いこなす「高音質の歌姫」系のプロ歌手とはだいぶ趣が違います。 スタンダードも歌いますが、多くのアルバムはオリジナル楽曲が中心でシンガー・ソングライター/コンポーザーとしての評価は非常に高く、中にはかなり先鋭的な内容のものもあります。ライブ動画を観るとピアニストとしても素晴らしく、奔放なプレイは圧倒的です。たとえばもし彼女がレギュラーバンドを率いてフジロックに出演したらいわゆるフェス民たちは度肝を抜かれるのではないでしょうか。

そんなパトリシア・バーバーの音楽がここ日本でも、もう少しいろんな層に届くよう願いつつ、本日のご紹介は彼女の作品でも人気の2000年のスタンダード集です。

・アーティスト/パトリシア・バーバー Patricia Barber
・タイトル/Nightclub
・レーベル/米　Mobile Fidelity Sound Lab
・型番/UDSACD 2004
・備考/SACD Hybrid盤
■参考買取価格/　3000円

パトリシア・バーバーの2000年作「Nightclub」のMobile Fidelityレーベル盤です。 Mobile Fidelity Sound Lab（通称 MFSL）は1970年代から活動する、高音質ソフト専門レーベルの老舗中の老舗です。同社がSACDのリリースを始めたのは2000年。「Nightclub」はMFSL産SACD初期の名作としてオーディオファンには知られた一枚。現在はもちろん廃盤です。

「Nightclub」は彼女の地元シカゴのレーベルPREMONITIONから名門BLUE NOTEレーベルにライセンスされ、東芝から国内盤もリリースされました（型番：TOCJ-66090）。こちらも現在は廃盤ですが、やはり人気は圧倒的にMobile Fidelity盤となっております。

最後に余談ですが、あるオーディオ・メディアのインタビューで「あなたのアルバムはいつも素晴らしいサウンドですが、ご自身もオーディオ機器にこだわっているのですか？」と訊かれたパトリシアさんは 「特にこだわりはありません。というのもミュージシャンは常に頭の中で最高のサウンドを鳴らすことができるので。ただもし私が弁護士の仕事でもしていたら、理想の音を実現するために高価なオーディオを揃えていたかもしれません」と答えていました。格好いいですね。

大切なコレクションをご処分の際はぜひセタガヤCD買取センターにお声掛けくださいませ。

掲載日： 2022年12月27日