カラヤン / モーツァルト：後期交響曲集(TOGE-15097~9/SACD)

お世話になります。セタガヤCD買取センター、クラシック担当です。

 

さて、本日も最近買取させていただいたCDのなかから厳選して一枚のCDをご紹介させていただきます。

 

本日ご紹介するのはこちら。

 

・アーティスト / ヘルベルト・フォン・カラヤン Herbert von Karajan

・タイトル / モーツァルト：後期交響曲集

・レーベル / EMI Classics

・型番 / TOGE-15097~9

・備考 / SACD

■参考買取価格 / ¥9,000

 

ヘルベルト・フォン・カラヤン（Herbert von Karajan 1908 – 1989）は言わずと知れた20世紀を代表する偉大な指揮者です。

カラヤンは生涯で膨大な数の録音を残しており、本コラムにおいても幾度となく登場しております。なので今回は彼の音楽にも多大な影響をもたらしたであろう、家柄について少しご紹介したいと思います。

 

カラヤンの先祖は東ローマ帝国に仕えたギリシャ人のカラヤニス家の出身であるといわれています。高祖父のゲオルク・ヨハネス・カラヤニスは現在のギリシャ共和国のコザニに生まれ、最終的にはザクセン選帝侯領のケムニッツに定住し、兄弟と共に服飾産業の世界で成功。選帝侯フリードリヒ・アウグスト3世に仕えて1792年に爵位を受け、貴族の称号である「フォン」を添えてvon Karajanという苗字となりました。

その後、1919年にオーストリア・ハンガリー帝国の終結に伴う貴族制度の廃止により「von」がオーストリアでの公式名から外れることとなりました。しかし、芸術活動を行う上でカラヤン自身が出生名（von入り）にこだわり、芸名として「ヘルベルト・フォン・カラヤン」 (Herbert von Karajan) を名乗ることを官憲に認めさせたという経緯があります。

一度は要望が役所で却下されましたが、「告知ポスターなどでフォンを表記できないのなら、今後オーストリアでは指揮台に立たない」と脅しをかけるほどの執念を見せたというのも、自己プロデュースに長けたカラヤンらしいエピソードです。

 

さて本日ご紹介のCDは、「カラヤン / モーツァルト：後期交響曲集(TOGE-15097~9/SACD)」です。

1960年2月〜3月にベルリンのグリューネヴァルト教会で録音された交響曲第29番イ長調や、1970年9月にベルリンのイエス・キリスト教会で録音された交響曲第35番ニ長調などが収録されています。

 

傑作交響曲の数々を豊麗なサウンドでスタイリッシュに描きあげたここでの演奏は、迫力に富み陰影豊かな抒情美に覆われた実に見事な仕上がりです。

ダイナミックの振幅の大きさはいつも通りですが、対称的に旋律線は強弱による抑揚が控えめで、ヴィヴラートをきかせて微妙な陰影をつけており、実に細やかな配慮を行き届かせて曲作りをしていることが聴き取れます。これはカラヤンの解釈によるものであることは明らかで、カラヤン流の美学に徹したモーツァルト演奏と言えるでしょう。

 

名演故にこれまで数々のCDが発売されてきました。

本日ご紹介の盤はその中でも屈指の評価を得ている2013年に発売された「EMI CLASSICS　名盤　SACDシングル・レイヤー・シリーズ」からの1枚です。

本シリーズはHS2088とかArtといった旧来のマスタリング規格をさらにブラッシュアップさせたことで、当時クラシックファンの間で大きな話題となりました。元々評価の高かったEMI盤オリジナルの質感を、よりナチュラルに再現すべくアビーロードスタジオでの新たなマスタリングを実施し、サウンド面での魅力がさらに向上した作品となっています。本作こそが繊細と言えるほどにデリケートなカラヤンの美学の何たるかを再確認するのに最適なメディアではないでしょうか。

 

残念ながら現在は廃盤で、各ストアでは注文不可の状態が続いており、それに伴って中古価格も上昇しています。

 

セタガヤCD買取センターでは、カラヤン / モーツァルト：後期交響曲集(TOGE-15097~9/SACD)を買取強化中です。帯付き、状態良好で現在の参考買取価格は¥9,000とさせていただいております。

 

大切なクラシックのCDの売却をご検討中でしたら、クラシックCD専門の査定担当が在籍するセタガヤCD買取センターにご相談下さい！よろしくお願いいたします。

掲載日： 2023年07月21日