ギレリス＆セル / ベートーヴェン：ピアノ協奏曲第1番＆2番(カナダ盤)

お世話になります。セタガヤCD買取センター、クラシック担当です。

 

さて、本日も最近買取させていただいたCDのなかから厳選して一枚のCDをご紹介させていただきます。

 

本日ご紹介するのはこちら。

 

・アーティスト / エミール・グリゴリエヴィチ・ギレリス Emil Grigoryevich Gilels

ジョージ・セル George Szell

・タイトル / ベートーヴェン：ピアノ協奏曲第1番＆2番

・レーベル / EMI Angel

・備考 / カナダ盤

■参考買取価格 / ¥9,000

 

エミール・グリゴリエヴィチ・ギレリス（Emil Grigoryevich Gilels 1916 – 1985）は、ソビエト連邦・ウクライナのピアニストです。ロシアの伝統を受け継ぎ、鋼鉄のタッチと通称される完璧なテクニックに加えて甘さを控えた格調高い演奏設計で非常に高く評価されています。

 

ウクライナ・オデッサで生まれ、音楽家の両親の元で育ち弱冠13歳でピアニストとしてデビュー。オデッサ音楽院へ入学し、ベルタ・レイングバルドから薫陶を受け、めきめきと実力をつけると、アルトゥール・ルービンシュタインの勧めで参加した第1回全ソ連ピアノコンクールで満員の聴衆総立ちの演奏を披露。17歳にして優勝を果たしました。

オデッサ音楽院を卒業後はモスクワ音楽院に入学し、2年間ゲンリフ・ネイガウスに師事。ウィーン国際コンクールやイザイ国際コンクールなど国外でも優勝や好成績を残し、ヨーロッパでの演奏旅行も大成功を収めます。スターリン体制終了後は西側での演奏旅行が許され、ダヴィッド・オイストラフ、ムスティスラフ・ロストロポーヴィチとともにニューヨークなどを訪れました。

以降はモスクワ音楽院で後進の育成にあたりながら、晩年まで世界中で演奏を行うなど精力的に活動しました。

 

ジョージ・セル（George Szell 1897 – 1970）は、ハンガリーのブダペスト出身の指揮者、ピアニストです。あまりに精密かつ禁欲的で客観的な演奏で有名で、「完璧主義者」と評されています。

ハンガリー人の父とスロバキア人の母の間に生まれ、幼くしてピアノ演奏に才能を示し、「神童」と呼ばれました。3歳からウィーン音楽院でピアノ、指揮、作曲を学び、若干16歳でウィーン交響楽団を指揮して指揮者としてデビュー。青年期までは作曲家としての作品も数多く残しましたが、最終的には指揮者の道を選び、ドイツ各地の歌劇場でキャリアを積んでいきました。

ベルリン国立歌劇場の第1指揮者やプラハのドイツ歌劇場音楽総監督就任など、国内で目覚ましい活躍を続けていましたが、ナチの台頭や第二次世界大戦の影響によりアメリカに活動の場を移しました。

 

戦後にクリーヴランド管弦楽団の常任指揮者に就任すると、管弦楽団の改革に大なたを振るい、決して一流とは言えなかった同楽団を鍛えぬいた結果、全米の「ビッグ・ファイブ」と呼ばれる第一級のオーケストラのひとつとして高い評価を得るに至りました。

晩年の1970年にはクリーヴランド管弦楽団とともに、日本万国博覧会を記念した企画の一環として来日公演を行い、日本でも極めて高い評価を受けました。

 

本日ご紹介のCDは1968年にアメリカ・クリーヴランドのセヴェランスホールで録音された「ギレリス＆セル / ベートーヴェン：ピアノ協奏曲第1番＆2番(カナダ盤)」です。

セルが自ら指揮し育て上げたクリーヴランド管弦楽団との熱のこもった共演で、ギレリスがEMIで制作した一連の音源の中でも特に人気のある作品です。

二人ともベートーヴェンに正面から正当なアプローチをしており、懐の深いオーケストラサウンドがさらなる感動を呼んでいます。セルの最晩年の録音ということもあり、成熟したベートーヴェンの完成系とも言えるでしょう。

 

ギレリス＆セルのベートーヴェンは非常に評価が高く、高音質盤を含め今まで様々なバージョンがリリースされており、全集も多いです。その中で第1番2番のみ収録の本日ご紹介の盤が今でもなお人気なのは、一重にCD黎明期のEMI Angelから発売の初期盤という部分につきます。

レコードからCDへの変化というのは当時としては非常に画期的であり、その感動を忘れられないオーディオファンも多く、市場価格は高騰傾向にあります。

 

セタガヤCD買取センターでは、ギレリス＆セル / ベートーヴェン：ピアノ協奏曲第1番＆2番(カナダ盤)を買取強化中です。帯付き、状態良好で現在の参考買取価格は¥9,000とさせていただいております。

 

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掲載日： 2023年05月24日