フルトヴェングラー / ドイツ帝国放送局1939-1945(22CD+1DVD)

お世話になります。セタガヤCD買取センター、クラシック担当です。

 

さて、本日も最近買取させていただいたCDのなかから厳選して一枚のCDをご紹介させていただきます。

 

本日ご紹介するのはこちら。

 

・アーティスト / ヴィルヘルム・フルトヴェングラー　Wilhelm Furtwängler 

・タイトル / ドイツ帝国放送局1939-1945

・レーベル / King International

・型番 / KKC5952

・備考 / 22CD+1DVD

■参考買取価格 / ¥9,000

 

ヴィルヘルム・フルトヴェングラー（Wilhelm Furtwängler 1886 – 1954）はドイツ・ベルリン出身。言わずと知れた20世紀前半を代表する指揮者です。

 

数々の名演を残し、現在に至るまでカリスマ性を持った巨匠として崇拝されていますが、そのキャリアは大きく戦争によって影響されました。戦時中は多くの音楽家がドイツ国外へと去っていきましたが、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の常任指揮者だったフルトヴェングラーは残る道を選択します。ヒンデミット事件により、すでにナチス政府と対立していた状況もあり、かなり厳しい時期を過ごしました。戦後もナチ協力を疑念され演奏禁止処分を受けたり、ユダヤ系音楽家たちからの非難がありシカゴ交響楽団の常任指揮者就任が破談するなど、その苦難は続いていくことになります。

 

本日ご紹介のCDは、そんな戦中の録音がまとめられた「フルトヴェングラー / ドイツ帝国放送局1939-1945(22CD+1DVD) 」です。

 

第2次世界大戦中のフルトヴェングラーの指揮はキャリアの中でも特筆すべきもので、彼が唯一師と仰いだ音楽学者ハインリヒ・シェンカーの美学に深く影響を受け、その哲学を演奏に取り入れていました。それはまるで指揮者、楽団員、そして聴衆が音楽を共有し、影響し合いながら一体感を持って表現されているようで、彫琢が深く、かつ柔軟でしなやかで、内包するエネルギーレベルが高い爆発的な輝きを放っています。

戦時中のベルリンフィルのコンサートは、政治的な圧力の中で、時に空爆の脅威に直面しながらも、決して屈する事なく、魂が込められた貴重な瞬間です。

その演奏の多くが、エンジニアのフリードリヒ・シュナップによって当時最先端の技術を駆使して録音されています。

 

戦時中のフルトヴェングラーの録音に関する重要な要素は「テープの遍歴」です。ソ連軍はベルリン占領後、約1500本のテープを押収しました。これらのテープはモスクワ放送の番組や露メロディア・レーベルのLPに利用されましたが、1987年にはオリジナル・テープのコピー20本が、1991年には押収した原テープが自由ベルリン放送（SFB）に返還され、現在はベルリン・ブランデンブルク放送（RBB、旧SFB）のアーカイヴに保存されています。

 

本作で使用されている音源のほとんどは、1987年と1991年に返還されたテープをベルリン・フィルが新たに28bit/96kHzでサンプリングしたものです。これらのテープは30年以上の時間が経っていますが、非常に良い状態でサンプリングが行われました。また、ピッチについても当時の正しい音程と速度を基準にサンプリングが行われています。

 

演奏会記録が残っていないプログラムについては、テープが既に失われた可能性が高いため、本作に収録されている音源が、戦時中のベルリン・フィルとフルトヴェングラーの演奏のすべてだと考えられています。

 

本作はSACDハイブリッド盤として2021年にリリースされ、現代の最高音質で楽しむことができ、解説書で録音の歴史について詳しく知ることもできるという、クラシックファンにとって大変ありがたい内容です。

 

現在は廃盤となっており中古市場の価格も高騰傾向です。

 

セタガヤCD買取センターでは、フルトヴェングラー / ドイツ帝国放送局1939-1945(22CD+1DVD) を買取強化中です。帯付き、状態良好で現在の参考買取価格は¥9,000とさせていただいております。

 

大切なクラシックのCDの売却をご検討中でしたら、クラシックCD専門の査定担当が在籍するセタガヤCD買取センターにご相談下さい！よろしくお願いいたします。

 

掲載日： 2023年10月11日