ツィマーマン / ブラームス：ピアノ・ソナタ＆バラード全集(423401-2/西独盤)

お世話になります。セタガヤCD買取センター、クラシック担当です。

 

さて、本日も最近買取させていただいたCDのなかから厳選して一枚のCDをご紹介させていただきます。

 

本日ご紹介するのはこちら。

 

・アーティスト / クリスティアン・ツィマーマン Krystian Zimerman 

・タイトル / ブラームス：ピアノ・ソナタ＆バラード全集

・レーベル / 独グラモフォン

・型番 / 423401-2

・備考 / 西独盤

■参考買取価格 / ¥10,000

 

クリスティアン・ツィマーマン（Krystian Zimerman 1956 – ）はポーランドのザブジェで生まれ、現代のクラシック界において最も高く評価されているピアニストの一人です。レパートリーはショパン、ベートーヴェン、ブラームス、ドビュッシー、ラヴェル、シューベルト、ラフマニノフなど幅広く、特にショパンや祖国の作曲家作品は有名で、国際的にも広く知られています。

 

父親がピアニストだったこともあり、幼少期からピアノに親しんで育ち、7歳からはポーランド・ピアノ界の重鎮であるアンジェイ・ヤシンスキに師事。1973年にベートーヴェン国際音楽コンクールで優勝し、翌年にはショパン国際ピアノコンクールで最年少で優勝するなど、早くからその才能は抜きん出ていました。

華々しい活躍の一方で、ポーランドでの物資不足の中でピアノの製作・修理を自ら行うなど苦労もありましたが、それによってピアノに関する知識が深まり、後年まで彼のキャリアを支えることとなります。

1981年にポーランドを離れ、スイスに移住。1996年にはスイスのバーゼル音楽院で教職に就き、後進の指導にも携わりました。1999年にはショパン没後150年を記念してポーランド祝祭管弦楽団を設立し、世界中でショパンのピアノ協奏曲を演奏しています。

ツィマーマンは公演ごとに所有するピアノを調律師と共に各会場に合わせて調律することで知られています。また「リサイタルのためには10年もの時間をかけて曲を準備する」と語っているように、音楽に対して非常にストイックな態度を貫いています。

 

本日ご紹介のCDは1980~83年にドイツ・ハンブルグで録音された「カツィマーマン / ブラームス：ピアノ・ソナタ＆バラード全集(423401-2/西独盤)」です。

 

ツィマーマンのスタイルは音楽的、音響的側面にかなり比重が置かれていると誤解されているようですが、決して内面の直接的な表現を疎かにしている訳ではないことが、この作品からはよく伝わってきます。デジタル的に解析され客観化されたものの集積のように理路整然としながらも、老獪な複雑さがなく、青春的な叙情が純粋に表現されていると言えるでしょう。

第一楽章の第２主題をはじめとするピアノパートの透き通るような和音はハイライトの一つで、音楽にある濃密な夜の叙情が見事に描き出されています。

 

大変に有名な演奏ですので、リマスターされる機会も多い録音ですが、本日ご紹介の盤はCDプレス最初期に発売された西独盤で中古市場の中でも最も人気の高い作品です。

 

西独盤の魅力といえば、やはりその音質の素晴らしさでしょう。

 

音楽の発展において重要な役割を果たしてきた西ドイツは、高品質な録音に注力しており、優れた技術と厳格な品質管理により、クリアで豊かな音響を感じることができます。

 

総じてデジタル再生でよく感じる「ギスギスとしたノイズ感」や「スッキリしすぎた先細り感」というようなものがなく、クリアでありながらもアナログライクな温かみや瑞々しい質感で、アナログとデジタル両方の良い部分を感じられます。最近の「メリハリを効かせたマスタリング」の物と比較すると地味ですが、誇張のない自然な音であると言えるでしょう。

  

デジタル初期のCDは音が悪いという意見もよく目にしますが、本作には全く当てはまりません。市場に出回ることは滅多になく、手にする機会は少ないと思いますが、未聴の方にはぜひチェックしていただきたい作品です。

 

発売から30年以上経過しており現在は廃盤で、中古市場ではプレミアCDとなっています。

 

セタガヤCD買取センターでは、ツィマーマン / ブラームス：ピアノ・ソナタ＆バラード全集(423401-2/西独盤)を買取強化中です。帯付き、状態良好で現在の参考買取価格は¥10,000とさせていただいております。

 

大切なクラシックCDの処分をご検討の際は、クラシック専門の査定担当が在籍するセタガヤCD買取センターでお願いいたします。

 

掲載日： 2023年11月29日