オイストラフ / オイストラフ・イン・プラハ (PR256007/独盤)

お世話になります。セタガヤCD買取センター、クラシック担当です。

 

さて、本日も最近買取させていただいたCDのなかから厳選して一枚のCDをご紹介させていただきます。

 

本日ご紹介するのはこちら。

 

・アーティスト / ダヴィート・フョードロヴィチ・オイストラフ David Fiodorovich Oistrakh

・タイトル / オイストラフ・イン・プラハ

・レーベル / PRAGA

・型番 / PR256007

・備考 / 独盤

■参考買取価格 / ¥2,000

 

ダヴィート・フョードロヴィチ・オイストラフ（ David Fiodorovich Oistrakh 1908 – 1974）は、ロシア帝国出身のユダヤ系ヴァイオリニスト、指揮者です。深い音楽性を兼ね備えていたヴィルトゥオーゾで、20世紀を代表するヴァイオリニストのひとりです。

恰幅の良い響きを持ち、暖かみと安定感を感じさせるヴァイオリン演奏は、今でも多くのファンに愛され続けています。

 

オデッサの商家に生まれ、5歳からピョートル・ストリャルスキーに師事しヴァイオリンとビオラを学びます。オデッサ音楽演劇学院に進学すると和声とポリフォニーを学ぶ傍ら、オデッサ交響楽団でソリスト・指揮者としても活動。実戦も交えながらその実力と評価を高めていきます。卒業後はモスクワ・フィルハーモニーに所属。ヴァイオリニストとして全ソビエトコンクールやウジェーヌ・イザイ・コンクールで優勝し、世界にその名を轟かせました。

その後はモスクワ音楽院で教鞭を執りながら演奏活動を続けます。第二次大戦中には最前線に出て慰問演奏も行いました。教師としてもギドン・クレーメルや息子のイーゴリなど多数のヴァイオリニストや指揮者を排出しています。

 

オイストラフは1705年製ストラディヴァリウス「マルシック」を使用し、速くて振幅の大きいヴィブラートを用いて唯一無二の美しい音色を産み出しました。とりわけチャイコフスキーやブラームスといった情感豊かな楽曲がこの奏法にマッチしており、多くのヴァイオリン協奏曲が録音されています。

 

さて本日ご紹介のCDは1966年、69年及び72年に行ったプラハ・ルドルフィヌム・ドヴォルザーク・ホールでのコンサートを収録した「オイストラフ / オイストラフ・イン・プラハ (PR256007/独盤)」です。

 

このコンサートの特筆すべき点として、全て20世紀の作品がプログラムされていることが挙げられます。ライヴ録音は音質が素晴らしく、観客の興奮と臨場感も感じられるもので、2015年に新たにリマスタリングされたことを考えると、当時の東欧でこのような高品質なライヴ録音が可能だったことに驚かされます。

 

特に注目すべきは、バルトークのヴァイオリン・ソナタ第1番、イザイの無伴奏ソナタ第3番『バラード』の演奏です。これらの異なる性格を持つソナタをオイストラフは見事な表現力で弾きこなしています。

 

バルトークのソナタは、無調の楽想が神秘的な戦慄を感じさせますが、オイストラフの演奏はそれに加えて、厳しさと人間味のある優しさの両方を兼ね備えています。ピアニストのフリーダ・バウアーの演奏も素晴らしく、彼女の感性を活かした各曲への積極的なアプローチが聴きどころです。

 

イザイの無伴奏ソナタは、オイストラフの完璧なダブルやトリプル・ストップ、滑らかな連音が美しく奏でられ、表現力が冴え渡り、洗練されたその演奏に聴き入ってしまいます。

 

本録音は前述の通り2015年にリマスター盤が発売されましたが、実に約20年ぶりのCD化でした。それまで長らく親しまれていたのが、本日ご紹介の輸入盤です。

ドイツのレーベル・プラガから1999年1月に発売され、その資料性の高さからクラシックファンに大きなインパクトを与えました。

 

現在は廃盤ということもあり、中古市場での買取価格は比較的高値で推移しています。

 

セタガヤCD買取センターでは、オイストラフ / オイストラフ・イン・プラハ (PR256007/独盤)を買取強化中です。帯付き、状態良好で現在の参考買取価格は¥2,000とさせていただいております。

 

大切なクラシックCDの処分をご検討の際は、クラシック専門の査定担当が在籍するセタガヤCD買取センターでお願いいたします。

 

掲載日： 2023年08月8日